岩本隆史の日記帳(アーカイブ)

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「フィードリーダー疲れ」をアグリゲータが救う?

RSS BanditというWindowsフィードリーダーがあります。製作者のひとりであり、Microsoftのエンジニアでもある Dare Obasanjo 氏が、自身のブログで「RSS readers modeled after email clients are fundamentally broken」(Eメールクライアントに倣ったRSSリーダーは根本的に壊れている)という記事を公開しました。

未読件数のあまりの多さに圧倒されたり、読んだら読んだで既読記事と似た内容だったり(そんなものは未読で結構)と、まるでメールクライアントのように「未読」を強調するフィードリーダーは根本的に問題を抱えているのではないかという主張です。

当該記事のコメント欄で指摘されているとおり「そんなこと気にすんなよ」「ぜんぶ読む必要なんてないじゃん」という話なのかもしれませんが、メールクライアント的フィードリーダーを作っているObasanjo氏自身が、いわば「フィードリーダー疲れ」を感じているのが私には面白く思えました。このような疲れを感じているのはObasanjo氏だけではなく、たとえば日本でも「RSS過多疲労症候群」という記事が2006年に書かれています。

未読を強調しないフィードリーダーの可能性としてObasanjo氏が挙げているのが「'River of News' style aggregator」です。何のことかと実装例である「NY Times for the mobile web」や「BBC for the mobile web」を見てみれば、それぞれ1ページしかないフィードアグリゲータでした。なるほど、このようなインターフェースであれば、未読を気にする必要がないですね。重要記事を見逃す可能性はありますが、フィードリーダー疲れのストレスよりはましかもしれません。

メールクライアント的フィードリーダーに「'River of News' style」を応用するとすれば、一定期間読まれなかった未読記事が自動的に消えてくれる(既読になる)仕組みが考えられます。Obasanjo氏が RSS Bandit に実装したという「すべてを既読にする」機能より、未読が意識にのぼらないので、いいんじゃないかなあ。