岩本隆史の日記帳(アーカイブ)

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「ラスト、コーション」「やわらかい手」水タバコ

渋谷Bunkamuraル・シネマで「ラスト、コーション」と「やわらかい手」を見た。いずれもエロティックな映画だから、エロい奴だと思われそうだが、あながち間違いではない。

ラスト、コーション」は初日。小さな映画館とはいえ満員だった。みんなエロいな。実際には(私にとっては)そんなにエロい映画でもなく、若き抗日運動家たちの青さがよく描けていたと思う。細かいことだが、麻雀で「中」を切った夫人の喜ぶシーンがあって、あれは予想が「中(あた)った」としゃれて喜んでいるのだ。良い手で和がれたからではないよ(切ってるし)。

そして「やわらかい手」。昨年12月公開の映画だが、こちらも満員だった。みんなエロいな。で、これが面白かった。そんなに数を見ているわけではないので参考になるかどうか分からないが、これまで見た映画のなかで一番の面白さ。主人公、息子、嫁、孫、雇用主、同僚、ヌキに来る客たち、ライバル店の店主・店員、「nosy」な友人・村人たちなど、すべての登場人物が、醜さまでリアルに描かれている。孫の手術費用を稼ぐために祖母が売春婦になる。息子は彼女を侮蔑するが、人生、きれいごとだけでは済まないのだ、私には侮蔑できない。ベルギーのバンド「Ghinzu」による音楽もすばらしく、哀切なギターの音色が胸にしみた。Portisheadが好きな方には一聴をおすすめする。

その後、向かいのエジプト料理屋LUXORへ。シーシャ(水タバコ)が吸える「シーシャコース」を頼んだ。ナイルパーチという魚や、鶏のカバブ、トマトベースの混ぜごはんなど、料理はどれもうまかった(妻には鶏が辛すぎたようだが)。シーシャはフレーバーが選べる。初めて吸うので、ポピュラーと思われる「アップル」にした。なにやら実験器具のような喫煙具が登場し、妻と回し喫み。また吸いたいと思うほどではなかったものの、普通のタバコを久しく吸っていないせいなのか、甘い香りや背徳的な雰囲気のせいなのか、少しクラクラした。