岩本隆史の日記帳(アーカイブ)

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「それでもボクはやってない」を見た(テレビで)

フジテレビ系列で放送された「それでもボクはやってない」を見た。率直にいって、私には合わなかった。

無実の罪を着せられかねない刑事裁判の不条理さを訴えたいのは分かるのだが、冤罪なのだから不条理に決まっているのであって、それをそのまま見せられてもすっきりしない。ドキュメンタリーならともかく、娯楽映画なら、最後には正義が勝ってほしい。悪が勝つなら、せめてその不条理さを笑えるほどカリカチュアライズしてほしい。そう感じた。

筒井康隆の短編「乗越駅の刑罰」では、無賃乗車を疑われた主人公が次々と不条理な目に遭い、最後には煮えたぎる猫のスープを無理やり飲まされてしまう。そこまでやられたら、読者は笑うしかない。

まあ、私は世の中の大多数とは感覚がずれていることを自覚しているので、私の感想が正しいなどとはこれっぽっちも思わない。ただ、私にはこの映画が合わなかったというだけだ。妻もおなじ感想だったけれど。